中古車購入に必要な書類とは?:STEP3「契約と支払い」
中古車購入基礎講座
中古車探しって中古車ビギナーにとってはちょっと難しそう、と思うかも知れませんが、そんなことはない。キチンとした要点さえ押さえておけば、中古車探しなんてカンタンです!!
中古車ビギナーも読めば安心!!
目当てのクルマも見つけて、クルマの具合もチェックした。あとはクルマを買うだけ!まずは契約を交わす前に見積もりをもらい、見積もりの内容に納得いけば契約手続きを進めよう。
注意!契約書は細部までよく確認を!
中古車販売店の中には、ごく稀に悪質な店が存在することも。大丈夫だろうときちんと契約書を確認せずに進めてしまうと、後々トラブルにつながりかねない。細部まで確認し、また気になる点や疑問に思うことがあれば、契約前に販売店に遠慮せずに確認しよう。
必要書類の準備
軽自動車と乗用車、また地域によって必要書類が異なるが、中古車購入時には以下のような書類が必要になってくる。書類を揃えるのに時間を要するものもあるので、スムーズに進めたい場合は、販売店に確認にし事前に用意できるものは準備をしておこう。
- 必要書類
- 交付元
- 実印
- ─
- 印鑑証明書
- 市区町村の役所
- 車庫証明書
- 警察署
- 自動車検査証(車検証)
- 販売店
- 自賠責保険証
- 販売店
- 委任状
- 販売店
- 必要書類
- 交付元
- 住民票
- 市区町村の役所
- 印鑑(認印でも可)
- ─
- 車庫証明書(※1)
- 警察署
- 自動車検査証(車検証)
- 販売店
- 自賠責保険証
- 販売店
- 委任状
- 販売店
※1:軽自動車の場合は基本不必要だが、市町村により必要となる場合があるので確認が必要。
支払い方法
支払い方法は、大きく分けてローンか一括払いの二種類の方法があります。それぞれメリットとデメリットが存在するので、購入前にそれぞれの特徴を把握し、自分にあった支払い方法を決めておこう。
一括支払い
主に銀行振込と店頭支払いがある。金利がかからず支払総額が一番安く済むが、購入時にまとまった資金を準備する必要がある。また、販売店によってはクレジットカードでの支払いも可能。銀行に行く手間が省けたり、クレジットカードのポイントが貯まるメリットも。しかしクレジットカード払いを導入している販売店が少なく、店舗によっては決済手数料が購入者負担の場合もあり割高になってしまうこともある。利用するカードの限度額にも注意が必要だ。
ローン支払い
販売店が提携しているローン会社のもの、銀行ローンと呼ばれる金融機関が提供しているもの、そして販売店独自の自社ローンがある。各自特徴を把握し、自分のライフプランにあったものを選ぼう。
金融機関のローン
他のローンに比べ審査が厳しく、手続きにも時間を要するが、金利が低いのが最大のメリット。また返済年数も長く設定できるので、無理なく自分のペースで返済が可能です。金融機関に行き手続きを行う必要があるので、利用を検討する場合は、早めに借入可能かどうか相談しにいこう。
販売店の提携ローン
ディーラーローンと呼ばれ、販売店を通してローン会社を利用する方法。ローンの審査が通りやすく、また審査完了まで1時間ほどで完了するので、車の購入とローンを同時に契約することが可能だ。またキャンペーンや車体割引など、嬉しいサービスがある場合も。
自社ローン
販売店が独自で提供しているサービス。他のローンが通らなかった人でも審査が通りやすいローンだ。金利がなく、自動車の総支払額のみの支払いとなるので、返済スケジュールが組みやすいメリットもある。しかし、金利のかわりに車体価格に手数料が上乗せされていたり、相場よりも車体価格が高い場合がある。また、分割回数が少なかったり、帯保証人が必要な場合もあるので、自社ローンを利用する場合は、必ずしっかりと内容を把握するようにしよう。
支払総額とその他の費用
中古車購入時には車両価格と必要な諸費用を含む支払総額を支払う。どんな諸費用が含まれていて、何が含まれていないのかキチンと把握しておこう。
2023年10月1日から、本体価格のみの表示ではなく支払総額の表示が義務化された。以前までは最終的な支払金額が分かり難かったり、不当な諸費用の請求トラブルが起きていたりしたが、これにより基本的には表示された総支払額でクルマを購入することが可能となった。
それでもトラブル回避の為にも、どのような諸費用が支払総額に含まれているのか、また含まれない費用は何なのかを知っておこう!
中古車の支払総額に含まれる諸費用
- 保険料
-
自賠責保険
全ての車の所有者に加入が義務付けられている損害保険
自賠責保険(共済)は交通事故による被害者を救済する為、加害者が負うべき経済的な負担を補填することで対人賠償を確保することを目的にした保険です。原動機付自転車を含む全ての自動車に加入が義務付けられています。
- 税金
-
自動車重量税
車輌重量に応じてかかる税金
自動車重量税とは、クルマの車輌重量に応じてかかる税金。新車購入時もしくは車検時に車検期間分の金額を納税する。車検が残っている中古車についてはあらためて支払う必要はないが、販売店によっては請求される場合もある。車検が切れている中古車を購入するときは次回車検期間までの税金を支払う必要がある。エコカー減税対象車については、規定の金額から減税率に応じて減額された税額を納める。(百円未満の端数は切り捨て)
自動車税種別割
総排気量に応じてかかる税金
通常は4月1日の時点で車を所有している場合課税されるが、中古車の場合は購入時に月割で課税される。(軽自動車の場合は月割制度が適用外の為、納付は翌年度の4月1日以降となる)
環境性能割(自動車税環境性能割)
自動車取得税は廃止され新たに環境性能割が導入
自動車の購入時に取得価格に対して課税される税金のことです。税率は環境負荷軽減(燃費基準値達成度など)に応じて、非課税、1%、2%、3%の4段階に区分けされている。環境性能割については新車・中古車を問わず対象となります。
車庫証明(証紙/印紙代)
自動車の保管場所を証明する公的書類
車庫法およびその施行規則で定められた自動車の保管場所が確保されていることを公的に証明する書類。管轄の警察署にて手続きをする。申請にかかる費用は約2,500円〜3,000円程。
検査登録費用
名義変更するために必要な費用
クルマを陸運支局に自分の所有物として登録して、ナンバーを交付してもらう際にかかる費用。手数料や印紙代で約3,000円程。
リサイクル預託金
廃棄やリサイクル費用の負担
自動車リサイクル法に基づいて、車の廃棄やリサイクルにかかる費用を購入時に負担し支払う料金。車の車種やメーカーにより金額は異なるが、軽自動車や普通自動車の場合は、おおよそ7000円〜18000円(+管理料)を支払う義務がある。支払い証明証としてリサイクル券が発行されるので、廃車にするまで車検証と一緒に大切に保管しておこう。
- 登録に伴う費用
-
車庫証明手続代行費用
車庫証明の手続きを販売店に代行してもらう為の費用。費用は販売店によって異なるが約1万〜3万円程かかる。車庫証明を自身で手続きする場合は、販売店に伝えて車庫証明にかかる金額を諸費用から差し引いてもらおう。
検査登録費用
運輸支局での車両登録手続きを販売店に代行してもらう為の費用。費用は販売店によって異なるがこちらも約1万〜3万円程かかる。検査登録も自分で手続きを行うことが可能なので、もし自身で行う場合は販売店に伝えて検査登録にかかる金額を諸費用から差し引いてもらおう。
中古車の支払総額に含まれないその他の費用
- 保険料
-
任意保険料
自賠責で補償されない部分を補う保険
購入者が自身で保険会社や保険内容を選んで加入できる為諸費用には含まれない。その為支払総額に保険料の予算が必要なことを覚えておこう。またクルマの購入時に付帯してくる場合もあるので、販売店に確認しよう。
- 法定費用(一部)
-
希望ナンバー申請費用
好きな数列でナンバーを取得できる制度
特定の数列でナンバーを希望する場合は別途証紙と印紙代(お店によっては手続き費用)が必要になる。また図柄入りナンバープレートを希望する場合は同時に申請をお願いしよう。
リサイクル料金
廃車にする場合にかかる費用
リサイクル料金も未預託又は後付け装備がありその部分の預託金が必要な場合は、別途料金が発生する。
- その他登録等に伴う費用
-
納車費用
自宅まで納車してもらう費用
販売店からあなたの自宅までクルマを届けて(納車して)もらうための費用。したがって自宅までの距離に応じて金額も異なる。
下取車諸手続代行費用/下取車査定料
下取に関する各手続きの代行費用
中古車購入の際に車を下取に出す場合は、それに関わる手数料や費用が別途掛かってくる。
管轄外登録(届出)費用
県外で購入した中古車を登録する費用
県外で中古車を購入した場合は、購入した車を使用者の住民票がある都道府県で登録しなければならない。その場合は登録にかかる費用と手数料を支払総額とは別に支払わなければいけない。沖縄の場合は輸送費が他の県に比べて高くなるので、県外で中古車を購入する場合は県外登録費用も念頭において検討しよう。
ETCやドラレコ等のセットアップ費用
セットアップを販売店に頼む場合にかかる費用
ETCやドラレコ、カーナビ等の附属パーツが車両の本体価格に含まれている場合でも、セットアップは別途費用がかかる場合がある。もしセットアップをお願いしたいと考えている場合は、販売店に車両本体価格に含まれれいるのか、別途必要なのか確認しよう。
車両本体価格には以下の費用も含まれます!
これまで、本体価格は「車両のみ」で、納車前の整備費やクリーニング代などの費用は別途支払うという方法が一般的だったが、2023年10月1日からは、これらの費用は「本体価格」に含まれることになった。具体的な本体価格に含まれている費用は以下の通りだ。
- 本体価格に含まれる費用
-
中古車を販売するにあたり当然行うべき作業にかかる費用
「納車整備費用」や「納車準備用」、その名称の如何を問わない納車前の「車内清掃」「洗車」「クリーニング」「ワックスがけ」等。
軽整備の費用、定期点検整備等を付帯して販売する場合の各費用
「納車点検費用」や「納車整備費用」、納車前の「点検」や「オイル、バッテリー交換」等の軽整備の関わる費用等や、保証や定期点検整備の実施が条件である場合のその費用。
その他、中古車を販売するにあたり当然行うべき作業にかかる費用
「土日祝納車費用」、「利益」、「販売手数料」、「オークション陸送費」、「広告掲載料」等
見積りや契約書にこんな項目があったら気をつけて!
もしも「洗車費用」や「納車準備費」「納車点検費用」」などの項目が計上されていた場合は注意!これらの項目は車両価格に含まれるべき項目の為支払う必要はありません。契約書にサインする前に、自分が理解できていない不明瞭な項目での請求がある場合は店員に質問して説明を受けるようにしよう。
また万が一、販売店とトラブルになったりした場合は、自動車公正取引協議会の消費者相談室に連絡しよう!