真夏のレースで平良&翁長が奮闘!

2024-11-22

平良響選手奮闘記 しまんちゅレーサーのレース奮闘DIARY!!
’24年7-8月ふりかえり

 いや、それにしても今年の夏は例年以上に厳しい暑さになった。猛暑日が延々と続き、TVをつけても”熱中症に注意” のテロップが出っぱなし。とはいえ、そんななかでもレース参戦の日々は待ったなしの状態。今回は、ふたりのしまんちゅにクローズアップ。平良響そして翁長実希のレースライフを紹介する。

 8月最初の週末は、富士スピードウェイでのSUPER GT第4戦。都心部より気持ち暑さ和らぐ天気に期待したものの、どーんよりとした薄曇りの天気で霊峰・富士山はすっかり”雲隠れ”状態。時折強い日差しが照りつけ、蒸しっとした暑さとなった。

 平良堤優威選手と駆るmuta Racing GR86 GTは、開幕戦勝を飾り、その後も巧みなチーム戦略を味方にして理想的なレース運びを披露。ランキングトップを快走中だが、富士での予選はサクセスウェイトも大きく響いて18番手と後方に。平良自身も納得いかない悔しいタイムアタックになった。だが、決勝ではシーズン初の350kmレースを着実に消化。ルーティンのピット作業では、チームの”お家芸”ともいえるタイヤ無交換はせず4輪交換を行ない、終盤に怒涛の追い上げを披露すると、8位までジャンプアップ! ポイントリーダーを守り切るパフォーマンスを見せている。

 続くビッグレースは、モビリティリゾートもてぎでの全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦。ただし、今回は参戦ではなくITOCHU ENEX TEAM IMPULに帯同。というのも、今回のもてぎ富士スピードウェイでの3レースには、ニック・デ・フリース選手が参戦するため。今シーズン、TGR WECチームドライバーであるデ・フリース選手F2フォーミュラEでのタイトル獲得F1経験がある実力派として知られる。一方、平良鈴鹿での最終戦(第8、第9戦)への参戦が決定した。このため、現地でチームとともにレースウィークを過ごし、また”SFルーキー”であるデ・フリース選手の戦いから、いろんなことを学ぼうと精力的に関わった平良。目標とする日本でのトップカテゴリーを俯瞰的に見ることで、大きな収穫を得たようだ。今やチームとのコミュニケーションも円滑の様子で、プラス材料をひとつ、またひとつと積み上げ、最終イベント鈴鹿でさらに大きくステップアップを果たしてもらいたい。

 昨今の厳しい暑さを考慮し、8月中旬はほぼ選手権レースがなく、”夏休み”状態。しかし、月末に控えるSUPER GT第5戦鈴鹿に向けての準備は粛々と進行中。シリーズランキングで暫定トップをひた走る今、ライバルの追随を許すまじ! の気持ちで戦いに挑まなければならない

レース距離は前回の富士に続いて350km。晴れたながら、富士よりも鹿のほうが断然暑く、そしてタイヤへの負荷も厳しい。サクセスウェイトを考えれば表彰台獲得の可能性はさすがに高いとは言えないが、そのなかでタイトル争いを展開するライバルを警戒しながらの戦いをしなければならない。自分たちのレースをすることが一番大事なのは当然のことだが、シーズン後半戦はさまざまなことに気を配りながら戦うことも重要になってくる。ライバルにスキを見せないレースをしようと意気込んでいたのだが……。台風10号がゆっくりとした速度で九州地方へと接近。強い勢力を保ちながら上陸するという予報を受けて、8月28日夕方に延期の発表が。これを受け、次のGT戦9月中旬仙台・スポーツランドSUGOまで”お預け”になった。

 GTでの熱い戦いを心待ちにしていたファンにとっては、残念な事態となったが、ますますヒートアップするタイトル争いに大きな期待を膨らませて応援するとしよう!!

 そして、平良同様、しまんちゅドライバーとして躍進中の翁長実希。現在、女性ドライバーだけのガチレースとして注目を集めている”KYOJO CUP”に参戦中だ。今シーズンは、開幕戦早速優勝。年間6戦で繰り広げられるこの戦いはすでに4戦が終了し、翁長ランキング2位につけている。

 実家がゴーカート場を経営していた翁長。物心つく頃にはゴーカートを楽しむようになり、いつしかモータースポーツを職業にしたいというのが夢になった。ちなみに、平良とは小さい頃からカート場で競い合った仲でもある。KYOJO CUPでは2022年に一度チャンピオンを獲得しているが、引き続きチャレンジを続け、今年はスカラシップを受けて北アメリカで開催している「TOYOTA GAZOO Racing GR CUP NORTH AMERICA」にもスポット参戦。次なる戦いが9月に控える。

 ハコ車でもフォーミュラカーでもない、VITA-01を用いて戦うKYOJO CUP。ライバルとの切磋琢磨でなお成長を続ける翁長の活躍にも注目していただきたい。

(text:島村元子)

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