TE-71 スプリンターGT ポコペン先生 ポコペンvol.2

「えっー!買ったばー 2TGやしぇー!」

俺んちの二階の部屋のまどに石投げるやつが。 

たーやがと覗くと、やぎーがすがらしたての 71の前でニヤニヤしながらヤニぐゎーふかしてる。

「えーはば、車高落ちてるやしぇー、はーやビルシュタイン入ってるばー!」 バネも一巻き半切ってある。

前輪ワタナベ、後輪は、かにホイールを無理やり溶接でのばした9.5Jの加工ホイール、ホイールハウスまでオレンジ色の鮮やかな光明丹。

さらには仲村マフラーで触媒を取って、出口をバスくらいまぎーなした直管、5000円なり。

無茶苦茶な改造しよる。ひんすーむんのチープ改造ではあるが、「やーセンスあるやっさー!」

さっそくドライブだが、今日はいつもと様子が違う・・・。


「えー!わんが座るシート無いやしぇー!」

俺のジャパンは後部座席を取るにとどまったが、何事も手を抜かない彼は運転席しかない車に乗っていた。

しかたなく助手席があったであろう位置にひらきると、「ダッシュボードしかみーらんしが!」

徹底的な彼は、フロアマットさえもひっぺがし、鉄板の上に座っている状態。

まちがって直接手をつこうもんならマフラーの熱で大やけど必至。

「やーの車はF1カーか!フルフェイスもかぶった方がいいあらに。」

水抜きのゴム栓まで取ってあるから地面が見えてますけど~? 逆オープンカー的なもんか~?

ちびでひらきると何も見えないので、カストロールオイルのカンカンを立ててマタに挟み、正座状態。

安里交差点ではお決まりのアクセルターン。やっぱり首里向いた。

溶接でデフロックしてあるので、普通に運転してても、しょっちゅうチビがひんぎている。

「しかし乗り心地は最悪だなー。乗り心地というかシートが無いんだからそりゃーそうだよなー。」

そんな状態で向かった先は、天久の開放地。

誰が壊したのかフェンスも破られ、今やみんなのダートコース化している。

こないだは、太陽にほえろごっこと称し、りんゆうのSAでバックのスピンターンを練習した。

しかし俺、カンカンに座ってるんだけど?ダートコースって・・・、オチ見えてないか?俺は無事で帰れるのか?

自分だけ四点式のシートベルトの付いたワンシーターに座った彼には、ダートコースを目の前にして俺の顔はもう見えていなかった。

滑りけのあるダートコースと、デフロックのかかった71の相性は抜群で、ひんがし放題。

1600ツインカムも2速、3速で気持ちよく回ってる。

狂った様にちびをひんがす事、小一時間。

今日、ジャッキアップまでしてシャーシまでピカピカにした車は、前も見えないほど泥だらけになってしまった。

「いいよな、汚す為に洗ったようなもんだからな。また二人でピカピカーなそうな。」

いかりやと仲本のバカ兄弟の様な二人はいつも仲良しだった。

商売は総じて二月がひまだそうです。STEREOも毎年もれなく大暇で、一月二月は家賃も稼げるか不安です。

どうせ決まった暇なら楽しんでしまえと、来るお客さんと一緒に飲んでしまい、しっちゅう二日酔い状態です。

家賃の事、体の事、最近ボケ始めたわったーかーちゃんの事、この歳になると、いろんな悩み、不安で頭がいっぱいです。

ポコペン先生書いてると、もう一度20代に戻り、いろいろやり直したい気持ちになります。

億万長者が全財産出すから、若返りたい。と言うのが分かりますね。 
                   BAR STEREO  TAKAYA

ポコペン先生のPROFILE

ポコペン先生

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文・TAKAYA

旧車&アナログ盤をこよなく愛す栄町のBAR STEREOオーナーであるTAKAYAがつぶやく、ちょっと懐かしいネオヒストリックな話題、いかがでしょう?

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