テクノカットと13部 ポコペン先生 ポコペン vol.6

中3の夏休みも終盤、たまり場の俺の部屋も夏休みの恩恵で静かで、一人快適な午後を過ごしていた。

M中は当時(丸刈り規則)だったが、YMOに憧れていた俺は、どうしてもテクノカットがしたくて、5月に13分刈りをして以来、ちょい伸び状態で、バリカンを持った生徒指導から逃げ回り、八月後半に至っている。

夏休みを含め約3か月半、頑張って伸ばした髪は眉に届くほどに伸びていた。 今日はハサミを入れる予定なのだ。

「たっかや~!」  

大事なテクノ記念日に誰か!また、たまりに来たのか、たまりぐせのムシめ。

のぞくと、ぱぎーが1リットルコーラー抱えて、「いらしましたよ」的に笑っている。

ぱぎーは同じクラスだが、1年の時はクリームソーダの長財布を後ろポケットから覗かせラジカセ置いてロックンロールを踊り、2年はAIPAのTシャツ着て、野球しかやってないのにサーファーぐゎーしー。

3年になってからは、カマしたとしか思えない、アーストンボラージュの高級ブルゾンでテクノになりました、めでたしめでたし・・・。

「やーも、てーげー伸びたな。」

ぱぎーも俺と同じく、生徒指導から逃げ回り髪を伸ばした同志である。

「今日はハサミ入れるぜ、やーも一緒にやろう。」

テクノカットに大事な前髪は、自分で気が済むように切ってから床屋で刈り上げの予定である。

「じゃあお互いで切りあうか!」 

いや待て、ふらーか?いくらなんでも恐ろしすぎる。せっかくここまで伸ばした髪を、理容師でも何でもない、ただの中学3年生に切らすなんて・・・。

「や、やっぱり自分で切ろう。やーも自分でやれな。」

とりあえず二人とも洗髪、濡れた髪をくしで伸ばしてみる。

「おぉー、目まで届くやしぇー。ギリギリ、テクノできるあらに。」

二人とも手にした100¥バサミ、「とうとう三か月の集大成だな。」

部屋の小さな鏡の前に股を広げて仁王立ち。

「サク、サク」「入れたぜ、このまままっすぐだよな!」

「サク、サク」「ちょっとゆがんだかな?」

「サク、サク」「き、切りすぎてないか?眉毛全部出てしまったけど?テクノカットに似てなくないかー?」

「サク、サク」「・・・・・・・・・・・・・・。」

丸刈りからせいぜい3か月の、もともとテクノカットには無理な髪量なのだ。

おでこの上に出来上がった小テクノ。 どうひいき目に見ても鬼ぱちにしかみえない。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「なんか邪馬台国に似てるよな。」

「わったー卑弥呼さまー、か?」

二人して、ヘアーサロン白樺に13分刈りを求め、話す言葉もなく歩きました。

途中、ごぼーに会い、ごぼーのくせに俺らをみて大笑いしてやがる。

中3に、急に背が伸びて、いっちょうらーのてぃーちしか無い売店ズボンが、しにすそいんちャーなお前には笑われたくないな。

白樺のおじさんに、二人きれいにマルコメ君にされ、二人でむさしの食堂のカツ丼食べました。

お冷のグラスの底に、ひーらーの卵が付いていたので、おばさんに訴えたら別のグラスに変えてもらえました・・・・。

浅い知識で「クルマネタ」、無理がありました。編集M氏に相談したところ、「思うように書いてくれ」とのありがたいお言葉。
記事も遅くなりがちですが、47歳の思いで話を、ちょっとずつ書いていけたらと思います。ちょっとだけニンマリして頂けたら幸いです。
まさあき、ズーマー買ってしまったよ、ゴメン。

ポコペン先生のPROFILE

ポコペン先生

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文・TAKAYA

旧車&アナログ盤をこよなく愛す栄町のBAR STEREOオーナーであるTAKAYAがつぶやく、ちょっと懐かしいネオヒストリックな話題、いかがでしょう?

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