サーキットの羊たち
昭和50年から「週刊少年ジャンプ」に連載された、池沢さとし先生の「サーキットの狼」当時のスーパーカーブームに火をつけた、おばけヒット漫画である。
千葉真一と倉田 保昭とスーパーカーに憧れた当時の小学生は現在40代後半になった。
ポコペン話が旧車ばかりなのも、当時の懐古主義が抜け出せ無いせいでもある。
風吹裕矢のロータスヨーロッパ、早瀬佐近のポルシェ911カレラ、ハマの黒ヒョウ、カウンタックLP500
人気は、やはり風吹のロータスに集中した。
作者はロータスを主役にもってくるあたり、かなりのマニアック感。
この作品が無ければ、現在に至るまで日本でロータスがそこまで脚光を浴びる事も無かっただろう。
スペック的にも、羊の皮を被った狼がライバルのスーパーカー達にテクニックで勝利する。そんな姿が子供たちを魅了した。
しかし今になって冷静に考えるとハイパワーターボの930に、OHV1500cc、82馬力のロータスヨーロッパが太刀打ちできるとはまったく思えない・・・。
風吹裕矢はかなりの才能を持ち、早瀬が金にものを言わすセンス無しだったとしか考えられない。
ちなみに当時、実車を使った映画も公開されたが、那覇にもプロモーションで裕矢の星の付いたロ-タスが走って、子供たちが追っかけました。
スーパーカーが大好きだった子供たち。
今でもテレビや街で当時のスーパーカーを見ると、血わき肉踊り「ドキっ!」とするんです。
ランボルギーニ・ディアブロ、フェラーリ・テスタロッサ、ではワクワクしないんです。
やっぱり、カウンタックの平面感、512BBの赤黒ボディーにオレンジのウインカーレンズ。まさにスーパーカー。
50代のオジサンは「イーグルス」、60代は「ビートルズ」しか認めない! みたいなのがとってもウザイが、
40代の僕らは「カウンタック」しか認めないんです。何度も言う
がディアブロじゃないんです。
ウルトラマンはレオまで、ガンダムもファーストだけ、アムロの出てこないガンダムなんて、シュワルツの出ないターミネーターみたいなもん。
頭がこり固まっているんです。わかっちゃいるが懐古主義。どの世代もそうだろうな。
「えーっ!ごぼーもっと早く歩けー!」
振り返ると、したたかパチの入った、とび職の様なズボンを履いた中学生が、親しそうにごぼーと肩を組んで歩いている・・・。
「ご、ごぼーのお友達かな・・・。 仲良しみたいだから俺は遠慮して走って帰ろうかな・・・。」
走って帰れるはずもなく数秒後、俺も仲良しチームの一員に加わらされる。
「やなごぼー、だから早く歩けって言ったのにやー。」
仲良し四人組は、無情にも目的のグランドオリオンを通り過ぎる。
「えーやったーひんぎたら死なすからよー」
(それは言われんでも雰囲気で分かってますよー。)
辛うじて走ったとしても、なにも無い道でさえよく転ぶ、ごぼーを抱えては、勝負の結果が見えている。
グランドオリオンを通り過ぎ、「やはりここか!」のショッピングセンター地下へとご案内。
地下一番奥の、「なんでこんな所にトイレ作るばー!」とつっ込みたくなる位、ひと気の無いトイレ。
「だぁ~、やったーちょっとお金貸しとけ!いくらあるば~」
(かしとけ・・・? それって返してもらえるんですか? 名前と住所も教えましょうか?)
ごぼーはすでに、貧血気味のちらおーじゃーで倒れそうになっている。
何か打開策はないものだろうか。間違って食ってかかっても、二人ともボコボコにされるのは必至。
むぬかんげーしたその時、ひと気の無いトイレに救世主のオジサン現る!
「おじさん、これなんか恐喝さーだよ、助けて!」
(やったー いいばちやさ! もう警察だな。ふふふ)
おじさんに叱られ、悪霊退散。 やなゾンビめ!
「おじさんありがとう。」出口までおじさんに送ってもらい、二人は九死に一生を得る。
「えーごぼー!もう急いで歩けよー!」
気を取り直し、二人でメロンソーダを飲みながら観た「サーキットの狼」 ちむわさわさーして、あまり記憶にも残らなかった。
「はぁ~、ぐりやーにも遭ったし映画も長かったし今日は疲れたなー。」
映画館を後にする二人・・・。 家路に歩く二人の前方から見覚えのあるボンタン二人組・・・。
今度は仲良しの形相ではない・・・。
文章を考え書き起こすというのは、大変な作業ですね。 長編小説を書く作家が、(ウルトラ警備隊のビデオシーバーを超えた、現在の携帯電話)くらい信じられない。
毎回原稿が遅くなってしまい、編集にはご迷惑おかけしております。 STEREOのブログも年三回の更新にとどまっており、奮起せねばと思う今日この頃。
BAR STEREO TAKAYA